事務所ブログ

2017年3月15日 水曜日

GPS捜査につき強制処分と判断した最高裁大法廷判決

 柏の弁護士の山田です。

 本日、最高裁大法廷は、GPS捜査の適法性が争点となっている刑事事件について、判決を言い渡しました。結論は、弁護人の上告棄却でしたが、理由付けで、GPS捜査の適法性に関して、極めて注目すべき判断が示されました。

 最高裁は、「個人のプライバシーの侵害を可能とする機器をその所持品に秘かに装着することによって,合理的に推認される個人の意思に反してその私的領域に侵入する捜査手法であるGPS捜査は,個人の意思を制圧して憲法の保障する重要な法的利益を侵害するものとして,刑訴法上,特別の根拠規定がなければ許容されない強制の処分に当たる(最高裁昭和50年(あ)第146号同51年3月16日第三小法廷決定・刑集30巻2号187頁参照)とともに,一般的には,現行犯人逮捕等の令状を要しないものとされている処分と同視すべき事情があると認めるのも困難であるから,令状がなければ行うことのできない処分と解すべきである。」と判断し、GPS捜査を「強制処分」と判断しました。
 その上で、最高裁は、「GPS捜査について,刑訴法197条1項ただし書の「この法律に特別の定のある場合」に当たるとして同法が規定する令状を発付することには疑義がある。GPS捜査が今後も広く用いられ得る有力な捜査手法であるとすれば,その特質に着目して憲法,刑訴法の諸原則に適合する立法的な措置が講じられるこ
とが望ましい。」として、立法措置が望ましいとしました。
 もっとも、立法化されるとしても一定の期間が必要となり、それまでの間は既存の強制処分を利用せざるを得ず、最高裁もこの点は否定していませんので、当面は、捜査機関としては検証令状や捜索差押令状の請求をし、令状担当裁判官が、GPS捜査に適切な要件を設定することになると思われます。この点について、補足意見が、「ごく限られた極めて重大な犯罪の捜査のため,対象車両の使用者の行動の継続的,網羅的な把握が不可欠であるとの意味で,高度の必要性が要求される。さらに,この場合においても,令状の請求及び発付は,法廷意見に判示された各点について十分配慮した上で行われなければならないことはいうまでもない。このように,上記のような令状の発付が認められる余地があるとしても,そのためには,ごく限られた特別の事情の下での極めて慎重な判断が求められるといえよう。」として、GPS捜査の必要性について高度なものを要求して厳格に判断しています。今後の令状審査にあたっても、極めて、注目の判断と思われます。


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投稿者 山田智明弁護士

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