事務所ブログ

2017年1月16日 月曜日

豊洲新市場への移転問題

 柏の弁護士の山田智明です。

 豊洲新市場で、東京都が実施していた地下水モニタリング調査の結果が公表され、基準を大幅に超えたとの報道が、1月14日、ありました。今回は、この問題について、公表されている資料を前提に、法律的に、どのような問題点が含まれるかについて、書きたいと思います。

 まず、前提として、中央卸売市場の移転するためには、農林水産大臣の認可が必要とされています(卸売市場法11条1項)。同法3項で準用される結果、同法10条所定の次の認可基準を満たす必要があるとされています。

(認可の基準)
第十条  農林水産大臣は、第八条の認可の申請が次の各号に掲げる基準に適合する場合でなければ、同条の認可をしてはならない。
一  当該申請に係る中央卸売市場の開設が中央卸売市場整備計画に適合するものであること。
二  当該申請に係る中央卸売市場がその開設区域における生鮮食料品等の卸売の中核的拠点として適切な場所に開設され、かつ、相
 当の規模の施設を有するものであること。
三  業務規程の内容が法令に違反せず、かつ、業務規程に規定する前条第二項第三号から第八号までに掲げる事項が中央卸売市場に
 おける業務の適正かつ健全な運営を確保する見地からみて適切に定められていること。
四  事業計画が適切で、かつ、その遂行が確実と認められること。

 この点について、農林水産省食料・農業・農村政策審議会食品産業部会(平成23年3月25日)の 配布資料4・別添7によると、土壌汚染対策法11条所定の「形質変更時要届出区域」については、一般の土地利用であれば、「汚染の除去の措置を行わず、盛土等のみを行った上、区域指定を受けたまま土地利用をすることは可能」とされていますが、「生鮮食料品を取り扱う卸売市場用地の場合には想定し得ない」とされています。

 このことからすると市場移転の認可をするか否かの要件として、所管省庁である農林水産省は、汚染土壌と汚染地下水を環境基準以下にした上で、「2年間のモニタリングを行い環境基準以下の状態が継続して確認されれば区域指定を解除」される必要があると考えていることが分かります。なお、この場合のモニタリングは、土壌汚染対策法施行規則別表第六の「五の一のハ」に定められたもので、環境基準は、土壌汚染対策法施行規則別表第一の「地下水基準」と思われます。

 豊洲新市場は、現在、「形質変更時要届出区域」とされているため、仮に、直近の検査結果(現時点では暫定値で、複数の検査機関に再調査を依頼するようです。)が正しい結果であった場合、地下水基準を大幅に超過することになるため、この問題を解決しない限り、農林水産大臣から認可処分を得られないことが予想されるため、東京都による認可申請自体が出来なくなってしまう可能性もあります。

 今後も、この問題については、注視していきたいと思います。

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投稿者 山田智明弁護士

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