事務所ブログ

2016年12月21日 水曜日

公共施設関係者の同意の処分性に関する最高裁判例

 柏の弁護士の山田です。

 最高裁平成7年3月23日判決は、都市計画法32条所定の公共施設関係者による同意の処分性を否定しました。同意について処分性がないとすると、不同意について取消訴訟で争うことはできないため、不同意について争うためには、どのような訴訟類型によるべきでしょうか。主な方法として、次の3つの方法によることが考えられます。
①同意を求める意思表示を求める民事訴訟(民法414条2項但書)を提起する
②公法上の当事者訴訟(行政事件訴訟法4条)で、同意を得る地位にあることの確認を求める確認訴訟か同意を求める給付訴訟を提起する
③開発許可の不許可処分の取消訴訟(行政事件訴訟法3条2項)で不同意の違法性を争うとともに開発許可を求める申請型義務付け訴訟(行政事件訴訟法3条6項2号)を併合して提起する

 しかし、①については、上記最高裁判決で、権利義務の主体となり得ない行政機関に対し、民事上の義務の履行として同意の履行を請求するもので不適法と否定されています。このうち、前者については平成16年改正よりも前の行政事件訴訟法では、取消訴訟の被告適格を処分行政庁にしており、取消訴訟に併合して提起したことに由来するもので、行政主体を被告適格とする現行法であれば、その点が障害になることはありません。また、後者については、民事上の請求ではなく、②の公法上の当事者訴訟の方法によれば認められる余地はあります。

 もっとも、上記最高裁判決とは事案が異なりますが、最高裁昭和34年1月29日判決は、行政機関内の内部的行為であることを理由に処分性を否定した消防法7条の不同意について、建築不許可処分の取消訴訟の中で争える可能性を示唆しており、また、②と比較して、より直截な方法である③の方法が最も適切なのではないかと思います。

 なお、本判決以降に行政事件訴訟法の改正が契機となり(処分性に関する改正はありませんが、全体として、国民に利用しやすい行政訴訟が目指されたため)、処分性を柔軟に解釈する最高裁判例も出ていることから、今後、同種の事案で、判例変更がなされる可能性も残されていると思います。

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投稿者 山田智明弁護士

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