事務所ブログ

2016年3月 4日 金曜日

マイナス金利について

 柏の弁護士の山田智明です。

 金融機関が日銀に預け入れる当座預金について,平成28年1月29日の金融政策決定会合で,マイナス金利が適用されることになりました。

 上記の政策決定会合の決定に基づき,日銀は,補完当座預金制度基本要領やその細則を定める補完当座預金制度に関する細則で,金融機関が保有する日銀当座預金の一部にマイナス金利を課すことを可能としました。

 これらの規定は,法的には,一種の約款と同様の性質と思われますが,これまでの取扱いと全く異なる性質を有するマイナス金利を,契約の一方当事者である日銀の一方的な決定で,他方当事者である金融機関に拘束力が及ぶのか,民法の約款理論上も,疑問がないわけではありません。
 確かに,日銀には,物価の安定等のために政策金利を決定できる公益的な役割がありますが,日銀法や準備預金制度に関する法律には,マイナス金利を想定する規定はなく,日銀の当座勘定規定上も,当座預金の利息を無利息と定めております。

 なお,民間の金融機関が預金者から金利を徴収することについては,次のようなの見解を日銀の金融法委員会が出しており,特段の合意がない限りは不可と解釈しているようです。
(以下,引用)
「銀行その他の預金受入金融機関は、市中金利がマイナスとなった場合に、普通預金・変動金利定期預金などに適用される店頭表示利率としてマイナスの値を定め、その絶対値を用いて計算した金額を利息支払日に預金残高から差し引くことができるか。

 この点、金銭消費寄託における利息も、通常は、金銭消費貸借における利息と同様に、預金受入金融機関が預金者に支払うべきものであり、預金者が支払うべきものとは解されない。預金約款(規定)上も、預金者からの支払は予定されていない。したがって、寄託の対価又は預金口座を通じたサービスの対価を預金約款に従って徴収する余地はあるにしても、市中金利がマイナスとなった場合に、普通預金・変動金利定期預金などに適用される店頭表示利率としてマイナスの値を定め、その絶対値を用いて計算した金額を利息支払日に預金残高から差し引くことは、預金当事者の合理的な意思解釈によれば、できないと考えられる。」 

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投稿者 山田智明弁護士

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